🎵 95歳の母が教えてくれた「歌」の力

95歳になる認知症の母は、心臓の数値が悪くなってきているうえ、ほかにも持病があるため、今でも薬を手放すことはできません。

それでも、母の兄弟姉妹や親族と比べると、ずいぶん長生きしています。

その長寿の理由は何なのだろうと考えたとき、私には一つ思い当たることがあります。

🎤 それは「歌」です

母は食事や薬を飲む時に、ほとんどむせることがありません。

一気に飲み込むことができ、95歳になった今でも、のどの調子は驚くほど良好です。

以前、新聞広告で『老いはのどからやってくる』という本を見かけました。

内容は読んでいませんが、

「60歳からの健康は、のどで決まる」

という見出しが強く印象に残っています。

母を見ていると、その言葉は決して大げさではないように思えます。

🎶 20年間続けた毎日の歌

実は母は、約20年もの間、毎日のように1~2時間歌うことを日課にしていました。

もちろんカラオケではありません。

20年ほど前に私が昭和の懐かしい歌の本を何冊か買ってあげたところ、それを見ながら大きな声で歌うようになったのです。

家族の誕生日には、必ず私たちに「何を歌ってほしい?」とリクエストを聞きながら、自慢の歌を何曲も披露してくれました。

多少音程が外れることはありましたが、声には張りがあり、とても95歳とは思えないほど元気な歌声でした。

私は、

毎日歌い続けたことが、母の「のど」の健康を長年支えてきた大きな理由ではないか

と考えています。

父との経験から感じたこと

一方で、15年前に亡くなった父は、嚥下機能が低下し、誤嚥性肺炎を何度も繰り返しました。

最終的には胃ろうの手術を受けましたが、その後まもなく亡くなりました。

この経験からも、高齢者にとって「のど」の健康は命に関わるほど重要なものだと実感しています。

高齢者の寿命に大きく関係する要因の一つとして、嚥下障害が挙げられることはよく知られています。

🎵 上手に歌う必要はありません

だからこそ、70歳を過ぎたら、上手に歌う必要はありません。

好きな歌を、大きな声で気持ちよく歌うだけで十分です。

歌うことには、たくさんの健康効果があります。

・ストレス解消になる
・顔の筋肉や腹筋を自然に使う
・姿勢が良くなる
・呼吸が深くなる
・血行や代謝の向上が期待できる

まさに歌は、

心にも体にも良い健康習慣なのです。

認知症が進み、歌わなくなった母

しかし、半年ほど前からさらに認知が進み、母は歌を歌わなくなりました。

そして最近のことです。

運動不足の影響なのか、それとも今年の猛暑のせいなのか、

10日以上も便秘が続き、食欲もなくなり、一日中寝て過ごすことが増えてしまいました。

家族みんなで心配していましたが、

「何かできることはないだろうか」

と考えた末、ふと

「歌を歌ってもらおう」

と思いつきました。

🎤 歌った翌日に起きた変化

歌えば腹筋も使いますし、体全体が自然と動きます。

家族で声をかけると、母もその気になり、30分以上歌ってくれました。

認知症で多くのことを忘れていても、不思議なことに歌だけはしっかり覚えていました。

最初の2~3曲は声がかすれて思うように出ませんでしたが、歌い続けるうちに少しずつ声が出るようになり、最後の頃には腹筋を使いながら大きな声で歌えるまで回復しました。

すると翌日、

✨ なんと待ち望んでいた排便があったのです

便が出た後は、食欲も戻りました。

もちろん、歌だけが原因とは断言できません。

しかし、歌うことで腹筋が刺激され、体が活性化したことも一因だったのではないかと思っています。

歌うことは、母にとって「のど」を鍛えるだけでなく、お腹の働きにも良い影響を与えてくれたようです。

🌸 歌は最高の健康習慣

改めて、歌には人の心と体を元気にする大きな力があることを実感しました。

健康のために特別なことを始めるのは難しくても、

好きな歌を口ずさむことなら、誰でも今日から始められます。

もしご家族に高齢の方がおられるなら、一緒に懐かしい歌を歌う時間を作ってみてはいかがでしょうか。

歌は、楽しみながら続けられる、とても素晴らしい健康習慣なのだと私は思います。