筋肉の疲労というと、長時間の肉体労働やスポーツによって起こるものだと考えている人は多いのではないでしょうか。

しかし実際には、デスクワークのようにほとんど体を動かさない状態でも、筋肉は疲労します。

さらに言えば、長時間同じ姿勢を続けることによる筋肉疲労は、体を動かして起こる疲労よりも厄介な面があります。筋肉のコリを生み、やがて体の歪みへとつながってしまうからです。

筋肉は動かすことで収縮と弛緩を繰り返し、その働きによって血流が促されます。血行が良くなることで、筋肉へ酸素や栄養が運ばれ、疲労物質も排出されやすくなります。

もちろん、運動をやり過ぎれば疲労物質が蓄積し、筋肉痛が起こります。さらに負荷が大きくなれば、炎症を起こすこともあります。

しかし、そこまで無理をしなければ、適度な運動は筋肉のコリや体の歪みの予防・改善につながり、健康維持にも大きな役割を果たします。

一方で、1時間以上デスクワークを続けると、姿勢を維持するために同じ筋肉が休むことなく働き続けます。

しかも、その筋肉はほとんど伸び縮みをしないため、血流は悪くなり、筋肉は縮んだまま固まりやすくなります。

その結果、関節の動きが制限され、体の歪みや慢性的なコリの原因となるのです。

以前、父の付き添いで病院へ検査に行ったことがあります。その日は診察まで4時間以上も椅子に座ったまま待つことになりました。

検査が終わる頃には、肉体的にも精神的にも疲れ切っていました。

さらに翌日から数日間は、体が重だるく、腰やお尻に痛みが出て、全身が硬くなったような感覚が続き、とてもつらい思いをしました。

この経験から、体を動かしていなくても筋肉は十分に疲労することを身をもって実感しました。

特に病院では、父の体調を心配しながら長時間待ち続けるという精神的な緊張も加わり、筋肉はさらに強くこわばっていたのだと思います。

反対に、楽しく気持ちよく体を動かしている時は、筋肉は適度に伸び縮みを繰り返すため、血流も良くなり、疲労が蓄積しにくくなります。

デスクワークのように長時間体を動かさない仕事は、想像以上に筋肉や関節へ負担をかけています。

「動いていないから疲れていない」のではありません。

同じ姿勢を続けること自体が筋肉を疲れさせ、コリや体の歪みを引き起こす原因になります。

健康を守るためにも、1時間に一度は立ち上がり、軽く歩いたり、ストレッチをしたりして、筋肉を動かす習慣を心がけてください。小さな積み重ねが、体の歪みや慢性的な不調の予防につながります。