仏教には、和楽という言葉が使われた「信心による和楽の世界」というのがあります。

「互いに助け合い、心通わせ、楽しむ世界」という意味ですが、

それ以外にも、和楽には、「和らぎ楽しむ」という意味があります。

心を静かに、穏やかに、和らげ、緩やかにしておく。気を軟らかにして固くしない、そのような心の時が一番楽しい、そのような心境が和楽です。

人はいかなる不運や不遇にあった時も、和楽の

心を失わず、天命にしたがい生きる。

天然自然を信じ、体の自然治癒力を信じ、天地自然を尊び、明るく楽しくバランス感覚のとれた和楽の心を持った生き方、これが大切であると言われています。

整体の仕事をしていると、体の緊張を緩めることが出来ない、または苦手という患者さんが多くおられます。

施術の効果は、受け手の緊張が取れている脱力状態であればあるほど高くなります。

体の緊張を緩めることが出来ない、または苦手という人は、自分の体がいつも緊張状態にあり、緩んでいないということに気が付いていません。

手足の施術をするときに、緊張状態にある体を「力が入っているの、力を抜いてください」というと、大概の人は「抜いているつもりなのですが」という答えが返ってきます。

また、意識すればする程、逆に力が入ってしまいます。

スポーツをする際に、「肩の力を抜きなさい」「力まないように」「腕の力を抜いて」という言葉を聞いたことがあると思います。

力んだり、肩に力が入った状態では、手先足先までスピード、パワーがうまく伝えられなくなるためです。

日頃、力を入れることには慣れていても、力を抜くという習慣はなく、意識しないとあまりすることがない行為なのです。

体や心の緊張状態が続くとストレスが溜まりやすくなり、体や心の故障に繋がります。

その緊張を自覚できればいいのですが、ほとんどの方は、自覚できないまま常習化しています。

それが怖いのです。

体の緊張と呼吸には深い関係があります。

ゆっくり、深い呼吸を意識しながら、体を緩めることを、一日5分で良いのでするようにしてみてください。

心と体は、静かに、穏やかに、柔らかく、穏やかに、和らげ、軟らかく固くせず、が大事です。

心と体が緩むと精神が穏やかになり幸福感を感じることが出来るようになります。