【コブ角について】
脊柱の側弯は思春期の女の子に多発します。
脊柱の側弯のレベルを表す検査として、コブ角の検査があります。
「コブ角」とは、X線で脊柱の曲がりの一番頂点になっている椎体の上下で、それぞれ最も傾斜した椎体の外線から直線を伸ばし、その2本の直線の交差する角度でカーブの大きさを表したものです。
そのコブ角が、10~20%であれば軽度、20~50%が中度 50%以上が重度、と判定します。
コブ角が10~20%が軽度では体にはほとんど影響が出てきませんが、30度を超えると背骨の変形が体系の表面の歪みとなって目だって来きます。
【発症する時期の分類】
20~25人に1人の割合で起こり、発症する時期で分けると、乳幼児期の側弯、学童期の側弯、思春期の側弯に分類できます。
最も多いのは「思春期の側弯」で側弯の8割、その内8割が女の子に起こります。
手術が必要に重症の側弯になるのは、ほとんどが女性です。
【側弯の歪みの特徴】
側弯のほとんどが特発性の脊柱側弯です。
脊柱の曲がり方はC字型とS字型があります。
脊柱の歪みは横の曲がりと捻じれが加わる複合の歪みです。
曲がったほうの背骨の肋骨が後ろに盛り上がります(肋骨隆起)。
例えば胸椎が右に曲がれば、右の背部が後ろに盛り上がります。
そして、肋骨が後ろに盛り上がる方の肩が盛り上がります。
側弯が軽度なら90パーセント改善します。コブ角の改善は成長期であれば、かなり改善の可能性がありますが、成長期を過ぎた18歳を超えるとコブ角が改善は難しくなります。
脊柱の側弯が改善されないまま、大人になって年齢がかさんでくると、腰痛や背部痛が起きやすくなりますが、肋骨隆起や腰部隆起が改善すると症状は楽になります。
【整形外科による対処法】
整形外科では側弯の対処として装具を付けますが、装具の着ける時期は、成長期に付けて17歳くらいまでで、それ以降ははずします。
装具による体の負担は大きいです。
装具を付けたからといって、歪んだ体は改善しません。
それ以上歪まないようにするための手段で、現状維持目的です。
脊柱の側弯の手術は成長期が完了した時期に行うのが理想と言われています。
手術のリスクとしては、神経麻痺、手術後の感染、呼吸器の問題他、数%の割合で起こります。
手術跡は20~40センチ以上で、手術の矯正率は60~80パーセントです。
手術は18歳までは国の医療費補助があります。
乳幼児の手術は「ヘプター」と言う棒状の器具を付け、成長に合わせて年に2回付け替えます。
ギブス療法をしてから「ヘプター」手術をする場合もあります。
【整体は側弯に有効か】
脊柱の側弯は、整体単独では効果が無いと言われています。
和楽堂でも、以前は、側弯の施術は整体だけでしたが、脊柱をかなり良い状態に戻しても、数日したら歪みが戻っていました。
現在は整体だけでなく、整体後の状態を長く維持できるように、側弯のための運動を取り入れています。
【側弯の改善には運動が不可欠】
側弯は、整体だけでなく、自分でする体操を同時進行でしなければ改善しません。
ただし、先天性の側弯は、整体や体操も効果がありません。
成長期においては整体と運動で改善が見込めますが、成長期を過ぎた側弯では、コブ角自体はあまり変化しないことが多いようです。
しかし、整体と運動をする事で、コブ角があまり変化しなくても、外見の見栄えは良くなります。
脊柱の側弯は、背中・おなか・腰・お尻・足の筋肉を鍛える事が大事です。
側弯の施術は、押さない、揉まないが原則です。
側弯の改善に年単位の時間がかかります。利用者さん自身の努力が欠かせません。